特集 鉄鋼業におけるモノづくり
日本鉄鋼業の概要と動向~21世紀の動向を中心に~
日本鉄鋼業について、その概要と21世紀の動向を中心に概説する。
日本鉄鋼業の概要
我が国産業における鉄鋼業の位置づけと概要
日本経済における地位、産業規模と輸出額
鉄鋼業は、国内総出荷額約17兆7,500億円、付加価値額約3兆100億円、事業所数約4千(従業員4人以上)、従業員数約22万3,500人(2019年)で(1)、自動車製造業、産業機械、情報通信機器産業などの基盤となる産業である。20年前の1999年と比較すると、事業所数が33%、従業員数で7.9%減少したが(2)、後に述べるように生産量は維持されており、これは事業所の大型化や作業の効率化が進んだことを意味している。図1に示すように、国内総生産(名目GDP)は、2003年に4.6兆円で製造業に占める比率は4.8%、2013年には6.4兆円で同7.2%であった(3)。この間、多くの産業ではGDPが減少もしくはほぼ横ばいで推移した中で、鉄鋼業においてはGDPが増加し、日本のものづくりで一定の役割を果たし続けていると言える。
世界に対する主要輸出品の金額推移を図2に示す。鉄鋼は、最近10年間では3兆円から4兆円(構成比では4〜5%程度)で推移し、品目別では2位から4位であり日本の基幹輸出品目となっている(4)。
(2)
(4)
鉄鋼製品(鋼材)と用途
キーワード:鉄鋼業におけるモノづくり