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2021/11 Vol.124

機構模型

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

機関車模型

年代未詳/ボールドウィン社製/フィラデルフィア(米)/真鍮、鉄、木製台座/

H250, W610, D180(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵

「Baldwin Locomotive Works Philadelphia, USA Compound Locomotive Cylinder and Valve Gear S.M.Vauclains Patents 4o6o11, 4o6o12, 471836」の金属プレート付。このような模型が近代化の進められた機械学教育に用いられた。本模型の年代は未詳であるが、東京大学総合研究博物館には工部大学校を示すプレート付きの機構模型を含め、近代的な機械学教育のために明治期以降に導入された機器が現存する。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵

[東京大学総合研究博物館]

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特集 機械と繊維の新しい関係

防護服研究への機械工学の利用

若月 薫(信州大学)

はじめに

私たちが着る衣服の目的は日常生活で用いる衣服(アパレル)から、寒さや炎や熱から守る防護服(プロテクティブアパレル)まで幅広くさまざまである。目的の一つは暑さや寒さから私たちの身体を守ることであり、織物や編み物などの生地構造や特性は保温効果と関係する。また、私たちは服を重ね着にすることで身体を保温するが、この工夫は、生地と生地との間に生じる空気により保温効果を生み出していることは言うまでもない。これら保温につながる考え方は、主として生地内部および生地と生地との空間に生ずる熱移動を活用した衣服工学である。

防護服(プロテクティブアパレル)は、着用する作業温度が明らかな工場作業者の作業服と作業温度が低温から高温まで幅広く、時には極限環境を想定する消防・警察・防衛で用いる特殊服がある。特殊服は、高い防護性が特徴であるが、防護に対するカウンターパートとしてヒートストレス(温熱快適性)や動作快適性の問題を常に有する。そのため、図1に示す多くの工学を動員して問題をクリアする必要がある。筆者の現在の主たる研究領域は、この特殊服の中でも「熱と炎」に対する防護を必要とする防火服の熱防護、経年劣化と人体の温熱快適性である。本稿では、防火服を例に取り上げ、プロテクティブアパレルと熱工学の関係、また他の機械工学分野との関係について例を用いて紹介したい。

図1 複合領域から構成する防火服研究

防火服の遮熱コンセプトの変遷

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