特集 機械と繊維の新しい関係
バイオプラスチックを用いたグリーンテキスタイル開発への取り組み
はじめに
近年、私たちの日常生活で多く利用されている非生分解性プラスチックによる環境汚染が環境問題の一つとなっている。石油由来プラスチックから製造されたストローや飲料ボトル、食品包装などのプラスチック製品は、廃棄された場合、環境中で完全に分解しないため、小さな「マイクロプラスチック」となり、環境中に拡散する。この「マイクロプラスチック」は、海水や砂浜だけでなく、深海や河川、貝や魚の生物内部でも発見されており、人間の体内に取り込まれる危険性がある。つまり、生態系や生物への影響、有害物質の吸収や生物濃縮の可能性が考えられる。
最近では、マイクロプラスチックによる環境汚染や地球温暖化を防ぐために、レジ袋の有料化、エコバックが注目されており、プラスチック廃棄量の削減が求められている。一方で、感染症予防対策として、不織布マスクやフェイスシールド、テイクアウト用容器など非生分解性プラスチックは現在も大量に消費されている。プラスチックは私たちの生活に必要な素材となっており、プラスチックを使用しないで日常生活を過ごすことは困難である。そこで、環境問題の解決策の一つとして、バイオプラスチックを利用したサステナブル材料やグリーンテキスタイルの開発が望まれている。
バイオプラスチックとは
キーワード:機械と繊維の新しい関係
機構模型
工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)
機関車模型
年代未詳/ボールドウィン社製/フィラデルフィア(米)/真鍮、鉄、木製台座/
H250, W610, D180(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵
「Baldwin Locomotive Works Philadelphia, USA Compound Locomotive Cylinder and Valve Gear S.M.Vauclains Patents 4o6o11, 4o6o12, 471836」の金属プレート付。このような模型が近代化の進められた機械学教育に用いられた。本模型の年代は未詳であるが、東京大学総合研究博物館には工部大学校を示すプレート付きの機構模型を含め、近代的な機械学教育のために明治期以降に導入された機器が現存する。
上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵
[東京大学総合研究博物館]