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2021/10 Vol.124

表紙

機構模型

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

回転斜板

年代未詳/フォイト社製/ベルリン(独)/真鍮、鉄、ガラス、木製台座/

H220, W320, D145(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵

ハンドルに「GUSTAV VOIGT BERLIN. S. W.」の刻字あり。工科大学もしくは工学部の備品番号「工キ學ニ四九八」の木札付。本模型の年代は未詳であるが、東京大学総合研究博物館には工部大学校を示すプレート付きのものを含め、近代的な機械学教育のために明治期以降に導入された機構模型が現存する。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵

[東京大学総合研究博物館]

バックナンバー

研究ストーリー

もしもこんな流れがあったら

2020年度日本機械学会賞(論文)

「乱れを含む流れの中に置かれた翼から発生する空力音に関する研究(第2報:翼が円柱後流の影響を受ける場合)」

小林 典彰, 鈴木 康方, 加藤 千幸

DOI: 10.1299/transjsme.19-00455

このたびは、2020年度日本機械学会賞(論文)を頂き、大変光栄に思っております。私が流体力学・空力音の分野に関わるようになったのは2012年に研究室に配属されたときのことです。つい昨日のことのように覚えていますが、気が付けば8年の月日が経過していました。研究の発端は風車翼から発生する空力騒音の定量的予測を行うモデル開発でした。既存のモデルでは予測値と実測値に誤差があり、風洞実験や数値解析によって得られた結果からそのモデルを改良できないかというところから研究は始まりました。この研究の特色としては乱れを含む流れを対象とすることです。通常、風洞実験や数値解析で扱う流れは主流の変動が極めて小さく一様な流れとなっています。一方、実際に風車が用いられる場面では大気境界層や風上側に設置された風車の後流中の乱れなどの影響もあり、翼から発生する空力音が増大することが従来から知られていました。しかし、研究を進めていく中で、空力音の増大要因については複数の要因が指摘されており、それらを相互に比較したものもなく、モデルの改良以前に現象の解明が不可欠だと認識しました。

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