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2021/10 Vol.124

表紙

機構模型

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

回転斜板

年代未詳/フォイト社製/ベルリン(独)/真鍮、鉄、ガラス、木製台座/

H220, W320, D145(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵

ハンドルに「GUSTAV VOIGT BERLIN. S. W.」の刻字あり。工科大学もしくは工学部の備品番号「工キ學ニ四九八」の木札付。本模型の年代は未詳であるが、東京大学総合研究博物館には工部大学校を示すプレート付きのものを含め、近代的な機械学教育のために明治期以降に導入された機構模型が現存する。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵

[東京大学総合研究博物館]

バックナンバー

やさしい機械力学

第10回 二自由度系の強制振動(減衰の影響)

1. はじめに

本稿では,外力に対する応答を低減する目的で用いられる動吸振器を有する系を取り上げて,二自由度系の強制振動について減衰の影響を含めて説明する。

2. 複素数を用いた線形振動系の解析

減衰を有する系の解析において,計算が多少容易になる複素数を用いた振動解析方法を図10.1に示す一自由度系を例として説明する。系の運動方程式は以下のように表される。

$m\ddot{x}+c\dot{x}+kx=f$     (1)

外力$f=F\sin \omega t$に対する解${{x}_{s}}$は,外力$f$と同位相の$\sin \omega t$成分と,外力$f$より位相が$\pi /2$進んでいる$\sin \left( \omega t+\pi /2 \right)=\cos \omega t$成分の和として,以下のように求まる。

${{x}_{s}}=A\sin \omega t+B\cos \omega t$     (2)

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