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2021/9 Vol.124

機構模型

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

ハートカム

明治7(1874)年/真鍮、鉄、木製台座/H400, W300, D303(mm)/

東京大学総合研究博物館所蔵

「HEART CAM」の刻記あり。工部大学校を示す「IMPERIAL COLLEGE OF ENGINEERING. TOKEI. 1874」の金属プレート付。工科大学もしくは工学部の備品番号の木札があるが判読不能。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵

[東京大学総合研究博物館]

バックナンバー

やさしい機械力学

第9回 二自由度系の強制振動

1. はじめに

本稿では,複数の自由度を有する系のうち最も簡単な二自由度系について,外力が作用する場合に発生する強制振動について説明する。

2. 複数の自由度を有する系と等価な力学モデル

多自由度振動系の一例である,図9.1に示す$x$軸方向にのみ運動するように拘束された二つの物体がばねで結合されている振動系は,それぞれの物体の変位を表す二つの変数${{x}_{A}}$および${{x}_{B}}$で系の運動が表される二自由度系である。また,図9.2および9.3に示す,曲げ変形する部材(はり)や張力が作用している弦に,はりや弦に比べ十分大きい質量を有する物体が取り付けられた系は,はりや弦に直交する方向の振動を考える場合は図9.1に示す系と同様の力学モデル,さらには同様の運動方程式で表すことができる。以下では図9.1で表される二自由度振動系の強制振動について説明する。

図9.1 一自由度を有する二つの物体からなる振動系

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