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2021/9 Vol.124

機構模型

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

ハートカム

明治7(1874)年/真鍮、鉄、木製台座/H400, W300, D303(mm)/

東京大学総合研究博物館所蔵

「HEART CAM」の刻記あり。工部大学校を示す「IMPERIAL COLLEGE OF ENGINEERING. TOKEI. 1874」の金属プレート付。工科大学もしくは工学部の備品番号の木札があるが判読不能。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵

[東京大学総合研究博物館]

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特集 画像で見る機械工学

実験動画公開「楽しい流れの実験教室」

石綿 良三(神奈川工科大学)

教育現場における動画活用事例

参考リンク:流体工学部門:流れの読み物:楽しい流れの実験教室 (jsme-fed.org)

はじめに

小学生から一般市民までの流体力学体験

流体力学に関連する現象や実験はふしぎなものが多く、広く科学入門書やインターネットの書き込みなどで取り上げられている。しかし、原理が誤認識されている例も多数散見される。このような誤認識は古くは物理学の教科書などにも見られ、長期間に渡って広範に伝達、拡散されてきた歴史がある。

流体工学部門では、2009年から青少年を主たる対象に部門ホームページ上で「楽しい流れの実験教室」(1)という動画サイトを公開してきた。開設時に筆者に題材提供の依頼があり、以来250件を超えるコンテンツを提供し続けている。機械学会会員以外からのアクセスも多数あるようである。ここで、その概要について紹介する。

歴史的に見る誤認識の拡散

ベルヌーイの定理に代表される誤認識

流体力学における誤認識は、古くは明治維新後の科学の教本にも見られ、日本国内では欧米からの教本に由来して根付いたものもあると考えられる。1960年代には、ロゲルギスト(今井功を含む科学者グループ)が当時の物理の教科書において原理の誤認識が散見されると指摘している(2)。また、種子田はさまざまな場面で誤認識を指摘し、警鐘を鳴らしていた(3)。それにも関わらず、それらの誤認識は物理の教科書で代々伝達され続け、さらに一般向けの科学書などへ広く拡散していった歴史がある(4)

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