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2021/9 Vol.124

機構模型

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

ハートカム

明治7(1874)年/真鍮、鉄、木製台座/H400, W300, D303(mm)/

東京大学総合研究博物館所蔵

「HEART CAM」の刻記あり。工部大学校を示す「IMPERIAL COLLEGE OF ENGINEERING. TOKEI. 1874」の金属プレート付。工科大学もしくは工学部の備品番号の木札があるが判読不能。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵

[東京大学総合研究博物館]

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特集 画像で見る機械工学

[ 熱工学ギャラリーで公開中の動画紹介 ]風船で見る水素貯蔵合金の水素吸蔵と放出

濱本 芳徳(九州大学)

動画リンク:熱工学ギャラリー 水素吸蔵合金からの水素放出実験 (ted-jsme.jp)

動画作成のきっかけ

自治体と連携したエネルギー教育

本動画(1)は、福岡市と九州大学との共同で水素キャンパスを活かした環境・科学教育を目的に、「九州大学で水素エネルギーを学ぼう」という一般市民や子供を対象とした科学技術イベントの教材として2007年に作成された。なお、本事業の経緯や取り組み内容は文2で報告されているので参照されたい。

同イベントで筆者は、水素研究に用いた水素貯蔵合金の仕組みや水素を吸蔵・放出する特徴の説明を担当することになった。そこで、合金に水素が吸蔵・放出される現象は、紙面で説明するよりも実演するほうが理解されやすいと考え、見てわかる実験装置を作成した。そして、実験風景を撮影した動画を使いながら説明することにした。

動画で伝えたかったこと

水素を吸ったり吐いたりする合金

水素貯蔵合金は、常温・常圧付近の水素雰囲気の中で水素を昇圧すれば自重の数%の水素と反応して金属水素化物となり、内部に水素を貯蔵する。一方、減圧すれば素早く放出する。また、一定圧力の下で合金の温度を下げたり上げたりしても水素を吸蔵・放出する特徴がある。このような可逆的な貯蔵と放出の反応は、水素貯蔵供給システムに応用されている(3)

筆者は、小学生の子供たちを相手に上記のような説明をしても理解してもらえないだろうと思った。そこで、「子供は動くものが好き」という単純な発想に基づき、吸蔵・放出現象を動く形で表現できないかを考えた。その結果、身近な風船を使った装置を作ることにした。

実験装置

風船の膨張収縮で水素の放出吸収を可視化

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