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2021/8 Vol.124

機構模型

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

材料試験機

年代未詳/エリオット・ブラザーズ社製/ロンドン(英)/真鍮、鉄、木製台座/

H537, W354, D282(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵

本体に「PORTER'S PATENT / ELLIOTT Bros. LONDON」の刻字あり。本資料の年代は未詳であるが、東京大学総合研究博物館には工部大学校を示すプレート付きの機構模型を含め、近代的な機械学教育のために明治期以降に導入された機器が現存する。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵

[東京大学総合研究博物館]

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やさしい機械力学

第8回 二自由度系の自由振動

1. はじめに

本稿では,複数の自由度を有する系のうち最も簡単な二自由度系に着目し,外力が作用しない状態で生じる自由振動について説明する。

 

2. 複数の自由度を有する系

質量や慣性モーメントを有する運動する物体とばねなどで構成される振動系において,物体の任意の点の位置を表すために必要かつ十分な変数の数は自由度と呼ばれる。例えば図8.1に示す,$x$軸方向にのみ運動するように拘束された二つの物体がばねで結合されている振動系は,それぞれの物体の変位を表す二つの変数${{x}_{A}}$および${{x}_{B}}$で系の運動が表される二自由度系である。また図8.2に示す,重心$G$を通り紙面に垂直な軸回りにのみ回転運動するように,そして重心$G$が$x$軸方向にのみ運動するように拘束された物体が二つのばねで基礎に結合されている振動系は,重心$G$の変位$x$と重心$G$回りの回転角$\theta $を表す二つの変数で系の運動が表される二自由度系である。運動する物体の数が多いほど,また拘束が少なく運動可能な方向が多いほど系の自由度は多くなるが,以下では最も簡単な場合である二自由度系で生じる自由振動について考える。

図8.1 一自由度を有する二つの物体からなる振動系

図8.2 二自由度を有する一つの物体からなる振動系

 

3. 二自由度系の運動方程式とその解

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