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2021/7 Vol.124

機構模型

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

角度定規

年代未詳/金属/W652, Dia.137(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵

製図道具は近代化の進められた機械学教育に用いられた。本資料の年代や製作場所は未詳であるが、他に「工学寮」「工部省工作所」等の刻記から国内で製作されたことがわかる製図道具類が東京大学総合研究博物館に現存する。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵

[東京大学総合研究博物館]

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エキスパートの知恵と経験

第7回 橋梁リハビリテーション

技術開発の経験を語る

橋梁リハビリテーションとの出会い

P.Choate & S.Walter氏が著書「America in ruins」において米国の社会資本老朽化が深刻であることを指摘、とりわけ橋梁において落橋事故が発生して市民生活を脅かしていることに警告を発したのは1983年であった。そして全米で橋梁検査が行われ、危険であると判定された橋梁の補修工事が進められるようになった。こうした動きを当時既に現役を引退しておられた名古屋大学名誉教授の成岡昌夫氏と立命館大学名誉教授の伊藤鉱一氏に教えていただき、日本においても早晩そうした動きが出てくるだろうと橋梁の補修工事に従事する筆者らを督励いただいたのは懐かしい思い出である。

成岡先生から米国の建設情報誌にミシシッピー州のチャッタヌーガ市において、ウオールナット・ストリート橋がリハビリテーション(以下では略してリハビリ)工事によって世界最長の公園歩道橋として再生され、同市の工業都市から環境都市への脱皮に貢献したという記事が掲載されていることを教えていただいたのは1994年である。米国東部にあって橋梁の検査マニュアルの制定やリハビリ設計で指導的な立場にあったリヒテンシュタイン設計事務所が設計したと判り、問い合わせの手紙を書いたところ、設計を担当したJ.Pullaro技師から返事がありチャッタヌーガ市の担当者をご紹介いただいた。これを端緒に橋梁リハビリの技術交流が始まり、彼らが全米で技術講習会を実施して老朽化橋梁のリハビリ技術の普及に尽力していることを知った。老朽化した橋梁もさまざまな技術に支えられて、市民に愛される橋として再生したことを学んだことは補修工事に携わる者にとっては目から鱗が落ちる思いだった。

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