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2021/7 Vol.124

機構模型

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

角度定規

年代未詳/金属/W652, Dia.137(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵

製図道具は近代化の進められた機械学教育に用いられた。本資料の年代や製作場所は未詳であるが、他に「工学寮」「工部省工作所」等の刻記から国内で製作されたことがわかる製図道具類が東京大学総合研究博物館に現存する。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵

[東京大学総合研究博物館]

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特集 機械学習×熱・流体工学の最先端

機械学習を用いた超狭帯域熱ふく射メタマテリアルの開発

櫻井 篤(新潟大学)

はじめに

熱ふく射は光(電磁波)であり、特に物質の内部エネルギーに応じて放射される光が熱ふく射である。つまり1 Kでも温度を持つ物質ならば、必ず僅かながらでも電磁波を放射している。機械工学の分野では、「ふく射伝熱」という伝熱研究分野の一つとして、長らく研究が行われてきた(1)。しかし、この分野では主に機械設計の観点から、ある伝熱面から他の伝熱面にどのようにして熱ふく射が到達するかを予測することに重点が置かれ、そもそもその伝熱面からの熱ふく射スペクトル自体を制御しようという取り組みは稀であった。

しかし最近では、熱ふく射をミクロに見た「マクスウェル方程式」で記述される電磁気学的な物理現象を扱う研究が増えている。これは、熱ふく射が本質的に光であるためである。一方、この光を制御するという研究が、メタマテリアルやナノフォトニクスといった分野で発達してきた。特にメタマテリアルの研究は、ある特定の周波数の電磁波に応答する人工的なメタ原子を多数配置して、あたかも一つの人工材料を作製できるということで注目を浴びている(2)。最近の熱ふく射研究では、このようなメタマテリアルやナノフォトニクスの考え方を応用した特異的な機能を持つ材料開発が盛んに行われている。

ここで応用例をいくつか紹介する。はじめに熱光起電力発電は、熱ふく射を直接、電力に変換するシステムである。太陽エネルギーや工場廃熱を、半導体の量子効率が高い波長帯に合わせて、熱ふく射として再放射することにより、高効率な発電が期待されている(3)。しかし現状では、伝熱および材料設計が厳しく実用化に至っていない。最近ではメタマテリアル・ナノフォトニクスの技術を応用して、実用化を目指した高効率化が進んでいる(4)

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