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2021/6 Vol.124

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

四リンク

年代未詳/フォイト社製/ベルリン(独)/真鍮、鉄、木製台座/H270, W300, D90(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵

ハンドルに「GUSTAV VOIGT BERLIN. S. W.」の刻字あり。工科大学もしくは工学部の備品番号「工キ學ニ四八九」の木札付。本模型の年代は未詳であるが、東京大学総合研究博物館には工部大学校を示すプレート付きのものを含め、近代的な機械学教育のために明治期以降に導入された機構模型が現存する。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵

[東京大学総合研究博物館]

バックナンバー

特集 デジタルツインでかわるものづくりのこれから

人と設備に依存しない安定加工を実現する加工デジタルレシピ

河野 一平・寺前 俊哉〔(株)日立製作所〕

はじめに

近年、アメリカ合衆国と中華人民共和国での貿易摩擦や自国ファースト主義による保護貿易策やブロック経済への移行、イギリスのEU離脱や東南アジアの政治・経済不安定などの地政学リスクが高まっている。さらに、昨今のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響により、効率的な生産体制、陸海空の機動的な物流、人の円滑な移動のいずれにおいても供給途絶リスクが顕在化している。また、消費の多様化により、商品の開発サイクル短期化と付加価値シフトの進展や新興国の経済成長に伴う労働環境が変化し、ものづくりの地産地消化も進んでいる。このようにグローバルにおいて、地域ごとの経済成長のばらつきや突発的リスク事象の増大などにより激変する社会・市場を背景として、ものづくり環境も大きく変化し、生産拠点のフレキシブル化が求められている。

一方、SDGsやESG(Enviroment, Social, Governance)により環境配慮型社会への変革の要請が高まっており、バリューチェーンのあらゆる段階で資源を効率的・循環的に利用、付加価値の最大化を図る循環経済の実現が求められている。そのような中で、単なる共有ではなく、変動する需要と供給を適切なタイミングと価格でマッチングさせる仕組みとしてのシェアリングが注目されており、バリューチェーンにおけるフロントローディングが加速すると同時に、シェアリングが「モノ」だけでなく、「コト」へ拡大している。

Crowd Manufacturingの概要

生産リソースを相互融通する共生型のものづくり社会

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