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2021/5 Vol.124

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

ダブル・ユニバーサル・ジョイント

明治8(1875)年/真鍮、鉄、木製台座/H150, W400, D300(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵
工部大学校を示す「IMPERIAL COLLEGE OF ENGINEERING. TOKEI. 1875」の金属プレート付。工科大学もしくは工学部の備品番号の木札があるが判読不能。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵
[東京大学総合研究博物館]

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エキスパートの知恵と経験

第5回 ヘリコプタ用トランスミッションの開発経験

技術開発の経験を語る

 

はじめに

川崎重工業(株)は多くのヘリコプタの国産化とともに独自の技術開発を進めており、1973年にKH7型双発ヘリコプタの開発を決定、トランスミッションの先行開発を始めた。トランスミッションとは、エンジンの出力をヘリコプタの回転翼に必要な回転数と方向に変換伝達するとともに発電機や油圧用ポンプを駆動する機能を持つ変速機である。筆者はちょうどこのタイミングで入社し、試作品の製造と開発試験を担当する部門に配属となった。その後いくつかのプログラムに参加する機会があり、その開発経験を紹介する。

KH7の開発試験での経験

KH7はその後に開発されたBK117とほぼ同じクラスの双発ヘリコプタであり、そのトランスミッションの断面図を図1に示す。1段目スパイラルベベルギヤ、2段目はヘリカルギヤで減速と方向変換を行う方式で、従来多くのヘリコプタで採用されていた遊星ギヤを採用した形式より重量的には増加するが、部品点数削減による信頼性の向上や、また高さが低くできるため、天井部に搭載してもキャビン高さを確保できる構成であった。

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