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2021/5 Vol.124

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

ダブル・ユニバーサル・ジョイント

明治8(1875)年/真鍮、鉄、木製台座/H150, W400, D300(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵
工部大学校を示す「IMPERIAL COLLEGE OF ENGINEERING. TOKEI. 1875」の金属プレート付。工科大学もしくは工学部の備品番号の木札があるが判読不能。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵
[東京大学総合研究博物館]

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やさしい機械力学

第5回 一自由度系の自由振動(減衰の影響)

1. はじめに

本稿では,一自由度系の自由振動に減衰が及ぼす影響について説明する。

2. 減衰を有する一自由度系の運動方程式とその解

鐘を叩いた時や振り子を静止状態から少し動かして静かに離したときに生じる自由振動は,時間の経過とともに小さくなる。このような現象は鐘の音の高さは変わらないが音の大きさが徐々に小さくなることで実感できる。時間の経過とともに振動が小さくなる原因は,系に減衰力や摩擦力を生じる要素が存在するためであるが,最も簡単な例として,減衰力を生じる要素を有し,かつ減衰力が速度に比例すると見なすことができる場合について考える。

図5.1に示す,$x$方向にのみ運動するように何らかの方法で拘束された質量$m$の物体がばね定数$k$のばねと減衰係数$c$の減衰要素(単に減衰,あるいはダンパと呼ばれることが多い)で基礎に結合された一自由度系を考える。

この系の自由振動を把握するために系の運動方程式を導出しその解を求める。加速度$ddot{x}$で運動する質量$m$の物体には外力は作用しておらず復元力$-kx$と減衰力$-cdot{x}$のみ作用していることから,ニュートンの運動の法則により以下の関係が得られる。

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