特集 多様化するリテールとサービスの共創
リテール空間におけるロボット技術
はじめに
近年、日本において人手不足が深刻化している。小売業も例外ではなく、例えば24時間営業を行ってきたコンビニエンスストア(以下、コンビニ)は、その維持が難しくなっている。このため、省人化や省力化の手段としてロボット技術に対する期待が高まっている。中でも売り場管理(納品、陳列、廃棄など)、清掃は時間を要する業務であり、省人化・省力化が特に求められている(1)。
しかし、小売の現場は顧客と従業員が混在する空間であり安全上の課題や、多様な形状、重さ、堅さ、材質を持つ商品が存在するなど、技術的な課題が多くロボット技術の導入が進んでこなかった。
これに対して、近年AIやロボット技術の進歩により小売現場の課題解決に取り組む企業が、ベンチャー企業を中心に現れている。また、経済産業省とNEDOが主催するWRS(World Robot Summit) Future Convenience Store Challenge(FCSC)では、コンビニの各種業務を対象としたロボット競技会が開催されており、関連技術の開発促進および実用化を目指す取り組みを行っている(2)。本稿では、これらの事例や取り組みについて紹介する。
ロボット技術の事例
売り場管理
キーワード:多様化するリテールとサービスの共創
工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)
ダブル・ユニバーサル・ジョイント
明治8(1875)年/真鍮、鉄、木製台座/H150, W400, D300(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵
工部大学校を示す「IMPERIAL COLLEGE OF ENGINEERING. TOKEI. 1875」の金属プレート付。工科大学もしくは工学部の備品番号の木札があるが判読不能。
上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵
[東京大学総合研究博物館]