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2021/5 Vol.124

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

ダブル・ユニバーサル・ジョイント

明治8(1875)年/真鍮、鉄、木製台座/H150, W400, D300(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵
工部大学校を示す「IMPERIAL COLLEGE OF ENGINEERING. TOKEI. 1875」の金属プレート付。工科大学もしくは工学部の備品番号の木札があるが判読不能。

上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵
[東京大学総合研究博物館]

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特集 多様化するリテールとサービスの共創

特集によせて サステナブルデザインとサービス設計

古山 浩之〔東芝テック(株)〕

はじめに

リテールとは、一般的に個人の消費者に向けた小売りと定義されている。

急速に変化しているリテール業界では、省人・省力・省スペース化に加えて、環境配慮、物流、トレーサビリティなど多くの課題が見えてきている。また、これらの課題と連動するように業界のプレーヤーも多種多様化し、複雑化するリテールは従来の小売りの定義であった“生産者や卸売り業者から購入した(仕入れた)商品を最終消費者に販売すること”という定義そのものへも変化を与えているように見える。

この定義の変化は“モノ・コト”の提供販売から“サービスの提供”という形でビジネススキームの変化ももたらし始めている。

このように急速に拡大するサービスを継続して安定的に提供するという“リテール”の意味、役割の変化に対応する為には、多くのプレーヤーの共創と協力が必要となり、一企業・店舗の努力のみで対応する事は極めて困難だと思われる。図1はこの多様化複雑化し混沌とするリテールのサービス空間を表した概念図である。

図1 リテールにおけるサービス空間の概念図

サイバー空間、フィジカル空間それぞれにおいて、あるいは双方の空間を行き来して、さまざまなサービスが形成され、そのサービス、ビジネスの拡大統合吸収が短時間のうちに次々と繰り返され、その誕生と消滅のサイクルも早くなっていると思われる。ともするとサイバー空間の変化の速さにフィジカル空間の人たちが戸惑っているようにも見える。

加えてサービスの供給者はある場面では受給者となり、また受給者はある場面では供給者となりうる。すべてがボーダレス化してきている。

そのような中で、消費者、サービスの受給者はこの無数のサービスが提供される空間、いわばサービス空間を彷徨っているのかもしれない。

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