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2021/3 Vol.124

工部大学校の「機械学」教育機器(機械遺産第100号)

機構模型:てこクランク往復運動
年代未詳/真鍮、鉄、木製台座/H270, W365, D180(mm)/東京大学総合研究博物館所蔵
工科大学もしくは工学部の備品番号「工キ學ニ二一七」の木札付。台座裏面に「百四拾九」と墨書あり。本模型の年代は未詳であるが、東京大学総合研究博物館には工部大学校を示すプレート付きのものを含め、近代的な機械学教育のために明治期以降に導入された機構模型が現存する。
上野則宏撮影/東京大学総合研究博物館写真提供/インターメディアテク展示・収蔵
[東京大学総合研究博物館]

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特集 MaaSにより目指す社会とそれを支える次世代モビリティ技術< 電子情報通信学会 合同企画 >

都市交通を改革するMaaSへの期待

中村 文彦(横浜国立大学)

都市交通の課題

都市交通の課題は事故削減、環境改善、社会包摂などである

本稿では、都市交通計画の枠組みに基づいて、都市交通の課題を整理した上で、現在注目されているMaaSが、それらを解決し都市交通を変革していく可能性について整理する。

文献(1)にも示されているが、都市交通は都市生活の根幹をなし、さまざまな都市活動と連携しているため、多くの領域に関連する。技術面では、土木工学技術のみならず、機械、建築、電気、情報通信技術がかかわり、政策面では、福祉、環境、防災、教育などの分野もかかわる。

一般に道路管理者(国、都道府県、市区町村など)および交通管理者(警察庁、警視庁、道府県警察本部)は、道路交通の安全と円滑をつかさどり、都市交通では安全と円滑が課題として整理されることが多い。しかしながら、解決すべき課題は実際には多岐にわたっている。道路混雑問題以外の重要な課題として、事故削減と社会包摂をあげておく。

交通事故問題については、事故死者数大幅減少のみが注目されるものの、実際には、重症負傷者数は依然多い。さらに、幹線道路よりも住宅地内のほうが、いわゆる抜け道利用車両の多さもあり、自動車走行距離あたりの事故件数が著しく多いことも知られている。幹線道路の混雑を避けて住宅地内に入る自動車を減らす努力は依然として求められている。

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