特集 航空産業の未来を変える航空機エンジン電動化技術
電動航空機用モータ開発
クルマの技術を空へ
電動化は自動車だけでなく、空でもトレンド
昨今、自動車と同様に航空機においても環境/快適性向上を目指し、電動化の検討が進められている。その中でも特に注目されているのが電動垂直離着陸機(eVTOL: Electric Vertical Take-off and Landing)である。
eVTOLは、垂直離着陸機の推進システムを電動化することで、騒音や整備・インフラのコストを大幅に削減することが可能である。さらに本来の特長である垂直離着陸により滑走路が不要であること、自動運転の導入により運用性が高まることから、いわゆる“空飛ぶクルマ”として、空の移動革命を起こすことが期待されている。移動コストの試算では、既存の鉄道やタクシーと遜色ない競争力を持つ事が可能と想定されており、高密度化された都市部の渋滞解消や、陸上交通では不便な地域を高速で結ぶ新たな公共交通として、大きなニーズが生まれると予測されている。このeVTOLが実現する空の移動革命は陸海空、都市部、郊外を含めたすべてのモビリティがシームレスにつながるMaaS社会実現のキーポイントの一つであり、世界中の企業が開発にしのぎを削っている。
eVTOLの実現性
社会的観点(運行想定)
キーワード:航空産業の未来を変える航空機エンジン電動化技術
表紙の説明:これは、1962年にドイツのギルデマイスター社で製造されたチャック作業用6軸自動旋盤のチャック部分(左)と刃物台部分(右)である。円周上に配置され、連続割り出しする6個のチャックに工作物を取付け、刃物台がまるで6台の機械のように軸方向に動いて加工を行い、1周すると1個の部品が出来上がる。
[日本工業大学工業技術博物館]