特集 航空産業の未来を変える航空機エンジン電動化技術
航空機電動化向け電力変換・配電技術
はじめに
航空機が排出するCO2を削減するために抜本的な対策が求められている。ICAOでは、CO2排出量を2050年に2005年比で半減する目標を掲げており(1)、コロナ危機後もその目標を堅持している。既存技術の改良だけではこの目標を達成することは困難なため、新たな技術の一つとして、航空機の装備品、さらには推進動力の電動化に注目が集まっている(2)。
本稿では、将来航空機の電動化に求められる高電圧の電力変換および配電技術について、すでに地上の電力システムに適用されている直流システムの事例を紹介する。さらに、高高度環境での絶縁や宇宙線対策、軽量化など、旅客機へ適用する場合に解決すべき技術課題とその対策について概説する。
航空機向け電力システムの大容量化
キーワード:航空産業の未来を変える航空機エンジン電動化技術
表紙の説明:これは、1962年にドイツのギルデマイスター社で製造されたチャック作業用6軸自動旋盤のチャック部分(左)と刃物台部分(右)である。円周上に配置され、連続割り出しする6個のチャックに工作物を取付け、刃物台がまるで6台の機械のように軸方向に動いて加工を行い、1周すると1個の部品が出来上がる。
[日本工業大学工業技術博物館]