特集 航空産業の未来を変える航空機エンジン電動化技術
「航空機先進システム実用化プロジェクト」の成果と今後の取り組み
プロジェクトの概要
航空機産業は、最先端の技術が適用される典型的な研究開発集約型の産業、かつ極めて広い裾野を有する総合産業であり、極限までの安全性・信頼性が求められ、厳しい品質管理が要求される。また今後、旅客需要は世界的に大きく伸び、今後20年で約2倍になることが想定されている(図1)。
一方、次世代航空機は、さらなる安全性・環境適合性・経済性が求められている。そのため、これらのニーズに対応した航空機用先進システムを開発し、我が国の技術が次世代航空機に早期に導入可能な体制を構築しておく必要がある。
航空機の胴体や翼などの機体構造およびエンジン本体を除いた大小のシステムや機器類は「装備品」と総称されている。装備品は電気系統や油圧系統、燃料系統、空調系統、操縦系統など、多岐にわたり、航空機の運用に必要不可欠であるとともに航空機価値構成の40%を占めている重要な分野である(図2)。
キーワード:航空産業の未来を変える航空機エンジン電動化技術
表紙の説明:これは、1962年にドイツのギルデマイスター社で製造されたチャック作業用6軸自動旋盤のチャック部分(左)と刃物台部分(右)である。円周上に配置され、連続割り出しする6個のチャックに工作物を取付け、刃物台がまるで6台の機械のように軸方向に動いて加工を行い、1周すると1個の部品が出来上がる。
[日本工業大学工業技術博物館]