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2020/10 Vol.123

表紙の説明:これは、推力5tonターボファンエンジンFJR710形の排気口部分である。1975年に通商産業省工業技術院の大型工業技術研究開発制度によって開発された。ブラッシュアップしたエンジンは、航空自衛隊のC1輸送機をベースに開発された短距離離着陸ジェット機(STOL)飛鳥に4基搭載され500mで離着陸できた。
[日本工業大学工業技術博物館]

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特集 これからが本番、IoTの発展浸透に向けた新技術

製造現場に混在する多様な無線通信を安定化するSRF無線プラットフォーム

フレキシブルファクトリパートナーアライアンス
生雲 公啓・横山 浩之・雨海 明博・板谷 聡子・厚東 肇・丸橋 建一・佐藤 慎一・冨田 尚孝・原田 光雄

フレキシブルファクトリパートナーアライアンス

製造現場では、人手不足、熟練工の減少という人材の問題や、顧客ニーズの多様化、グローバル競争の激化などの市場環境の急激な変化への対応のため、より多くの情報を用いたきめ細やかな運用管理により、生産性を向上させることが必要不可欠になってきている。無線ネットワークには、柔軟な製造ラインの実現、後付センサによる情報収集、移動体の情報収集などにおいて多くのメリットがあり、先進的な製造現場では、無線を用いたさまざまなアプリケーションが運用され始めている。一方、無線干渉やダイナミックな無線環境の変化により無線通信が不安定になり製造ラインが停止してしまうという、無線化による問題も起こり始めている。製造現場では、データ収集のために無線通信の利活用が要望される一方で、高い信頼性、安定性と保守性の確保が必要とされており、今後、製造現場の生産性を大きく向上させるためには、この無線化の問題を解決する必要がある。

製造現場における無線化への期待とリスクを踏まえ、フレキシブルファクトリパートナーアライアンス(Flexible Factory Partner Alliance:FFPA)は、製造現場のさまざまな用途に混在して利用される多様な無線システムの安定化を図るために必要となる通信規格の策定、および国際的な機関との連携による普及活動を通じて、製造現場のデジタル化の進展に貢献するため、2017年に設立された(1)

FFPAでは、製造現場のデータの可視化・統合管理を実現する上で鍵となるSRF無線プラットフォーム(PF)の標準化を進めてきた(図1)。SRF無線PFは、複数の無線システムが混在する環境下で、安定した通信を協調制御により可能にする。なおSRF(Smart Resource Flow)は、マルチレイヤシステム分析を用い、製造に関わる資源(人、設備、機器、材料、エネルギー、通信など)をスムーズに流れるように管理するシステム工学戦略である。

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