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2020/10 Vol.123

表紙の説明:これは、推力5tonターボファンエンジンFJR710形の排気口部分である。1975年に通商産業省工業技術院の大型工業技術研究開発制度によって開発された。ブラッシュアップしたエンジンは、航空自衛隊のC1輸送機をベースに開発された短距離離着陸ジェット機(STOL)飛鳥に4基搭載され500mで離着陸できた。
[日本工業大学工業技術博物館]

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特集 これからが本番、IoTの発展浸透に向けた新技術

これからが本番、IoT研究発展に向けた取り組み

有坂 寿洋〔(株)日立アカデミー〕

はじめに

IoTはこれからが本番

本稿のタイトルにある「これからが本番」は、2020年3月に同時開催予定であったが、社会情勢に鑑みて残念ながら中止となった、情報・知能・精密機器部門講演会(IIP2020)および生産システム部門研究発表講演会2020(3/26、27、東京電機大学 東京千住キャンパス)における、合同基調講演につけられたサブタイトル「これからが本番、IoTの発展浸透に向けた新技術」より引用した。

IoT(Internet of Things)という言葉があらわれて久しいが、巷でよく耳にするうちに、すでに完成されて普遍化している技術、という認識をもたれる方も社会一般には多いと思われる。しかし社会や産業において真価を発揮するのはこれからであり、そのための研究もまだ多く必要であることは、会員諸氏はお気づきのことと思う。

これはさまざまな情報が瞬時に伝わり、多種のコンテンツを見映え良く生成できる情報化社会においては、目新しい技術や概念は、商業化のためにその製品やシステム(実体)の成熟よりも早く広くに認識され、それができたらどうなるかという期待が先行して高められていく、というからくりによるものである。そしていわゆるハイプ曲線を駆け上がっていく。

ここにすでに「リアル」と「サイバー」における乖離が存在している。本来そういった乖離を解消するために必要な、リアルの状態をサイバー空間で処理するための技術=IoTであるはずが、それすらも乖離が、というメタ構造になっているのは興味深い。また、これから育てていく技術が流行のようなものに翻弄されるのは避けたいと考える向きも多いだろう。

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