研究ストーリー
不具合防止へのChallenge!
2019年度日本機械学会賞(論文)
「大量生産部品のリコールを防止するための極値統計による新しい品質管理法」
村上 敬宜、町田 尚、宮川 進、髙城 壽雄
DOI; 10.1299/transjsme.17-00231
機械学会賞を受賞して誠に光栄です。この論文の著者4名の平均年齢は74歳です。所属業種は異なりますが、長年多量生産部品の不具合に悩まされてきたのです。部品の数が2~3万点にも及ぶクルマの場合に限らず比較的少数の部品から構成される製品でも販売数が数十万個に及ぶ多量製品の不具合防止は容易ではありません。原因の一つは、製品の強度やある機能が正規分布になるという頑なな先入観に基づいて製品開発がなされているからです。中央値付近の分布が正規分布に見えても、裾野の分布は必ずしも正規分布でないことが多いのです。本論文では、リコールを防止するために品質管理の手法に極値統計法を導入することの必要性と具体的事例を示しました。以下は、その一部です。
キーワード:研究ストーリー
表紙の説明:これは、1925年頃に米国のヘンディー社で製造されたベルト掛け段車式普通旋盤の主軸台の換え歯車装置部分である。右下には3段の送り速度群変換装置を装備し、さらに奥には12段のノルトン式送り速度変換装置を装備する。2つのレバー操作で簡単に36段変速できる。
[日本工業大学工業技術博物館]
表紙写真 北原 一宏