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2020/7 Vol.123

表紙の説明:「これは、1930年代にドイツのファウター社で製造されたホブ盤のテーブルとワークアーバ部分である。穴加工済みの工作物を、テーブルの中心になるようにワークアーバに取付けて固定し、工具(ホブカッタ)と工作物の相対運動により歯形形状を創成しながら加工して歯車を作る。」
[日本工業大学工業技術博物館]

表紙写真 北原 一宏

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特集 スポーツ×ICT

浮遊球体ドローンディスプレイ

山田 渉〔(株)NTTドコモ〕

概要

浮遊球体ドローンディスプレイは、任意の場所で映像を表示することができる世界初の飛行可能なディスプレイである。大画面・高解像度のディスプレイをドローンに搭載することは重量や航空力学上の問題で従来、困難であった。そこで本技術では残像効果によってディスプレイを表示する技術を応用するとともに、LEDの回転の反作用を打ち消すように制御することで、空中を飛び回る球形のディスプレイを実現した。

はじめに

Science Fiction(SF)の映画や小説の中では、空中に映像を出現させる魔法のような技術が古くより描かれてきた。このような技術の実現に向けて、現実の世界でも従来からさまざまな技術の検討がされてきたが、その中でも近年、特に注目を高めているのが、 Lighting Emitting Diode (LED)を搭載した無人航空機(以下、ドローン)を用いて、空中に映像を表示する技術である。例えばIntel社は高輝度LEDを搭載した数百台以上の小型のドローンを同時に制御し、空中に巨大な映像を浮かび上がらせるShooting Starと呼ばれるシステムを提供している(1)。このシステムは2018年当時の世界記録となる1218 台ものドローンを飛行させ、空中に五輪のマークをはじめとしたさまざまな巨大な映像を映し出し、世界中で大きな話題となった。また米国だけでなく、中国やスイスをはじめとした世界中のさまざまな国でも、このようなドローンを使った映像表示システムは開発が進められている(2)(3)

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