特集 複数性能を扱う最適化設計技術
ランニングシューズソールの形状最適化
はじめに
近年の健康志向を背景に、スポーツを楽しむ人は増加の一途をたどっている(1)。特に、場所を選ばず行うことができるランニングは、人気のあるスポーツの一つである。ランニングを行うために欠かせないスポーツ用具として、ランニングシューズが挙げられる。ランニングシューズは、各スポーツメーカーにおいて、ランニング動作を分析した結果を基に、必要な機能を抽出し、それらの機能が発現するよう、さまざまな工夫を凝らして設計されている。
本稿では、まずランニングの動作分析について述べ、ランニングシューズに求められる機能やその構造を概説する。最後に、ランニングシューズソールの形状最適化解析の例を紹介する。
ランニングの動作分析
キーワード:複数性能を扱う最適化設計技術
表紙の説明:
1972年スイスのベヒラー社製の主軸台移動形棒材作業用単軸自動旋盤の刃物台部分である。カム機構により放射状に配置された5種の刃物が、半径方向に順次動く。刃物を軸方向に送る代わりに、工作物を中央のガイドブッシュから送り出しながら加工するため、工作物のオーバーハングが無く、高精度な加工ができる。
表紙写真 北原 一宏
撮影地協力 日本工業大学 工業技術博物館