特集 複数性能を扱う最適化設計技術
トポロジー/形状最適化ソフトウェアの開発および騒音・振動低減への適用
はじめに
筆者らの一人は「構造最適化」をテーマに会社を興し35年になる。当初は16ビットのPCがやっと入手できるようになった時代で、簡単な2次元モデルのシミュレーションを行うにも数時間、少し複雑なモデルは1日以上の計算時間を要した頃である。
そのような環境下で最初に取り組んだのは、事後誤差評価に基づく有限要素分割の最適化のソフトウェアOPTIMESHの開発であった。このソフトをミシガン大学菊池昇教授の技術支援を受け製品化した。この手法はAdaptive Mesh Refinement MethodあるいはAdaptive Finite Element Methodと呼ばれるもので、要素分割の仕方で解が異なる有限要素法の品質を確保する手段として利用された。
キーワード:複数性能を扱う最適化設計技術
表紙の説明:
1972年スイスのベヒラー社製の主軸台移動形棒材作業用単軸自動旋盤の刃物台部分である。カム機構により放射状に配置された5種の刃物が、半径方向に順次動く。刃物を軸方向に送る代わりに、工作物を中央のガイドブッシュから送り出しながら加工するため、工作物のオーバーハングが無く、高精度な加工ができる。
表紙写真 北原 一宏
撮影地協力 日本工業大学 工業技術博物館