特集 さらなる挑戦、小惑星探査機「はやぶさ2」
「はやぶさ2」の小惑星Ryuguへのタッチダウン運用
はじめに
2014年12月3日に種子島宇宙センターからH-IIAロケットで打ち上げられ、2018年6月に小惑星Ryuguに到着した「はやぶさ2」は、到着後、8月に小惑星の3次元形状モデルを作成するために画像を取得する中高度観測降下運用、重力の推定などのための自由落下降下運用を実施し、9、10月に3回のリハーサル降下の後、合(ごう)運用(注1)を経て、2019年2月22日に1回目のタッチダウン、4月5日に衝突装置を小惑星に向けて分離して小惑星の表面にクレータを作成、7月11日に2回目のタッチダウンを実施した。
本稿では第1回目のタッチダウンに向けてレーザセンサやカメラを用いて小惑星の情報を集め、それらを基にリハーサル降下を実施し、さらに得られた情報から確実なタッチダウンを実現したプロセスを説明する。また、タッチダウンの際の画像航法誘導制御手法、最終的な自律制御による探査機の制御手法について紹介し、画像を含む実際の運用データを示す。
「はやぶさ2」の姿勢軌道制御系(AOCS)機器(センサ・アクチュエータ)構成
「はやぶさ2」 AOCS(Attitude and Orbit Control Subsystem)のセンサ、アクチュエータ一覧を表1、表2に、外観での機器配置を図1に示す。
キーワード:さらなる挑戦、小惑星探査機「はやぶさ2」
【表紙の絵】
でんきをあつめるきかい 武田 碧さん(当時 4 歳)
たくさんのかみなりのでんきをあつめてにんげんの生活にすこしずつつかうきかいがあったらいいなとおもって絵をかきました。