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2019/11 Vol.122

【表紙の絵】
どこでも線路をつなげる機械
杉平 宗将 くん(当時4歳)
この機械は、どこでも線路をつなげます。深海や山や宇宙にも行けます。つないだ線路は回収して、また使えます。通ったあとは、元通りです。海や魚にも優しい線路です。ぼくは、この機械を使って虹の上をわたりたいです。(途中にカプセルに入って休む所もあります。絵には線路を渡ってニコニコの人の顔が、描いてあります。信号もついているので、ぶつかりません。)

バックナンバー

人と機械の新しい関係

「モノ」を通して「コト」をデザインするヒントはどこにある?

取材・文 森山 和道 http://moriyama.com/

ヒューマンインタフェース学会20周年特別記念企画としてシンポジウム「弱いロボット×不便益×仕掛学」が行われた。それぞれ弱さから人を動かすロボット、手間をかける経験から得られる益、ユーザーに謀らずも行動させる方法を意味する。これらの考え方のなかには、モノを通して間接的に人を動かす、コトを起こす方法のヒントが隠されている。

岡田研のティッシュ配りロボット。ティッシュをとってあげたくなる弱いロボット

■人を(無意識に)操作する

戦国の武将・武田信玄は甲府盆地を流れる川を治めるために信玄堤を築いた。今でも信玄堤は残っており、実に450年にわたって機能している。武田信玄は信玄堤を守るために、4月に行われる御幸祭(おみゆきさん)を利用したと言われている。木花咲耶姫を祭るおみゆきさんでは、大勢の人たちが堤防の上をゆっくり練り歩くのだが、それよって堤防が踏み固められる。しかもお祭りなので、楽しい。楽しみとインフラ維持が一体化している。さすがは信玄といったところか。彼は水を治めるだけではなく、人を動かすことにも長けていた。

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