日本機械学会サイト

目次に戻る

2019/11 Vol.122

【表紙の絵】
どこでも線路をつなげる機械
杉平 宗将 くん(当時4歳)
この機械は、どこでも線路をつなげます。深海や山や宇宙にも行けます。つないだ線路は回収して、また使えます。通ったあとは、元通りです。海や魚にも優しい線路です。ぼくは、この機械を使って虹の上をわたりたいです。(途中にカプセルに入って休む所もあります。絵には線路を渡ってニコニコの人の顔が、描いてあります。信号もついているので、ぶつかりません。)

バックナンバー

特集 鉄道車両研究開発の最前線

次世代新幹線の開発と試験車両「ALFA-X」

浅野 浩二〔東日本旅客鉄道(株)〕

はじめに

東日本旅客鉄道(株)(以下、当社)は、1987年に発足し、今年4月に33年目を迎えた。この間、当社の新幹線は、ネットワークを拡大してきた。1982年に開業した東北・上越新幹線は、1991年に東京まで延伸、それ以降も、1992年の山形新幹線開業(その後、新庄まで延伸)や1997年3月の秋田新幹線開業、同年10月の北陸新幹線(高崎・長野間)開業(その後、金沢まで延伸し、JR西日本との相互乗入れ)、2002年の東北新幹線の八戸延伸、2010年の新青森延伸(その後、新函館北斗まで延伸し、JR北海道との相互乗入れ)を経て、大きくネットワークを広げてきた(図1)

新幹線の研究開発は、高速化を大きな柱とし、高速化の研究開発から生じる課題に加え、日々の運行で表面化した課題の解決や、効率とサービスレベルをより向上させるために幅広い技術領域において研究開発に取組んでいる。

本稿では、次世代の新幹線に向けた研究開発と、その評価のための「試験プラットフォーム」であるE956形式新幹線試験電車「ALFA-X(アルファエックス)」について紹介する。

図1 当社の新幹線ネットワーク

これまでの研究開発

東京を起点に伸びる5方面のネットワークの中でいちばん直通距離の長い東京・新函館北斗間は800kmを超え、現在最も所要時間の短い「はやぶさ」号はこの間を4時間弱で結んでいる。お客さまに鉄道をご利用いただくためには、長距離になるほど選択されやすい航空機に対抗して、新幹線の所要時間を短縮することが有効である。そのため当社では新幹線の高速化による営業速度向上と安全性および快適性の向上の両立を目的として、新幹線高速化の開発を進めてきた(図2)

会員ログイン

続きを読むには会員ログインが必要です。機械学会会員の方はこちらからログインしてください。

入会のご案内

パスワードをお忘れの方はこちら

キーワード: