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2019/9 Vol.122

【表紙の絵】
どこでも本棚ロボット
橘 佑樹 くん(当時7歳)

調べたい事がある時などに、近くに来て、ロボットに言うと、ぴったりの本を選んで、ロボットの本棚から出して渡してくれる。
足は折りたたむことができ、車りん(コマ)で移動することもできます。
目から映像を出して確認することもできる。

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特集 機械工学とインフォマティクス

複合材料成形とインフォマティクス

松崎 亮介(東京理科大学)

複合材料成形

シミュレーションや計測単体では予測が難しい

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)をはじめとした複合材料は、金属材料や樹脂材料と比較して、軽量で高い強度と剛性を持つため、航空機や自動車用途への適用が進められている。本稿では、これまで試行錯誤的であった複合材料成形にデータ同化や多目的最適化などの情報科学(インフォマティクス)を活用し、複合材料成形をより高品質化する取り組みと将来展望について紹介したい。

複合材料は、その名前の通り複数の材料を合わせて作るため、その過程で材料内部に欠陥を生じたり、材料の特性が変わったりしやすい。従来は、経験や試行錯誤に基づいて成形の条件策定が行われていたが、製造コストを増大させ、また形状や材料が変わると改めて条件策定が必要となり効率的ではない。そのため、複合材料の成形挙動を再現する理論やシミュレーションの研究が多くなされてきたが、材料そのもののばらつきが大きく、成形のたびに変化する不確実なものであり(1)、事前に推定するのは依然難しい。

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