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2019/9 Vol.122

【表紙の絵】
どこでも本棚ロボット
橘 佑樹 くん(当時7歳)

調べたい事がある時などに、近くに来て、ロボットに言うと、ぴったりの本を選んで、ロボットの本棚から出して渡してくれる。
足は折りたたむことができ、車りん(コマ)で移動することもできます。
目から映像を出して確認することもできる。

バックナンバー

特集 機械工学とインフォマティクス

EFDとデータ駆動科学

野々村 拓(東北大学)

はじめに

実験流体力学データの持つ特徴とは?

流体力学の実験計測で得られるデータは、従来の熱線流速計、圧力センサによる静圧計測などの点データに対し、近年では、粒子画像速度計測(PIV)や感圧塗料、感温塗料、シュリーレン法で得られる面データ、3次元PIVなどによる体積データが得られるようになってきた。現状で面データや体積データの得られる計測を行うと、データの量は高速度カメラの解像度とフレームレートから、ギガバイトからテラバイトオーダとなり、大規模数値解析で得られるデータ量よりは少ないものの、十分に大規模なデータと言える。一方で、流体力学の実験データは、数値解析でのモデル化誤差、打ち切り誤差などの実現象を風洞内などの試験で模擬すること(例えば風洞壁が存在することによる誤差)によるシステム雑音が存在するのに加え、数値解析では無視できる計測する際に加えられる観測雑音が存在し、後者が問題となることが多い。このような大規模だが観測誤差を含む実験データに対して、データ駆動科学の技術を用いて、観測誤差の除去や、低次元モデルの作成による流れ場の予測などが期待されている。

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