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2019/6 Vol.122

【表紙の絵】
ソーラーケータイじゅう電システム

石井 智悠 くん(当時8 歳)

この前あつかったので、ケータイがあっつくなっていたので「そのねつをうまくつかってじゅうでんできたらな。」と思ったのでこの絵を描きました。

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5G・IoT時代のキカイ <災害・緊急時・極限への対応>

大規模災害時のドローンを用いた情報通信ネットワークの臨時構築

原 晋介(大阪市立大学)

はじめに

日本では近い将来、南海トラフで巨大地震が高い確率で発生し、その場合の経済的被害は220兆円に上り、これは国家予算の2年分以上、東日本大震災の13倍に相当すると試算されている(1)。道路、電力や情報通信を含むライフラインは壊滅的な被害を受け、多くの住民は避難場所での生活を余儀なくされる。東日本大震災では、地上の情報通信インフラが完全に復旧するまで1か月以上掛かっている(2)。したがって、情報通信インフラが復旧する前に、被災者の安否確認や被災状況の把握などのために、情報通信ネットワークを臨時かつ迅速に構築することが必要不可欠となる。
一方、内閣府は小形無人機の利活用と技術開発のロードマップを2016年に策定し、その改定作業を現在も行っている(3)。それによると、小形無人機の飛行は2018年には目視外・無人地帯(レベル3)で可能になったが、2020年代以降には目視外・有人地帯(レベル4)でも可能になる。したがって、上に述べたような情報通信ネットワークの臨時構築には小形無人機つまりドローンの利用が大いに期待できる。
本稿では、ドローンを用いた情報通信ネットワークの臨時構築における、電子情報通信工学と機械工学の観点からの研究課題を整理し、問題解決には、これらの分野の研究者の協力が重要であることを指摘する。

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