ソフトロボット学
トーラス駆動型の究極の柔軟ロボット機構を創造する
はじめに
柔らかい身体を有するロボットを構築する際、従来の「硬い」ロボット機構における従来型の設計・作製方法が必ずしも有効とは限らず、接着や自己組立などの新たな設計・具現化手法を新規に適用・開発していく必要がある(1)。
本研究では、全方向に分岐・分裂が可能な膨張式の枝分かれロボット機構を実装するための設計論・具現化手法の確立を目指す。具体的には、伸縮式のトーラス構造に基づく、自由な位置・方向・数で枝分かれを起こす内部から伸張していき、上方向に向かう根の構造・動きを起こすロボット機構によって『形の制約が無いロボットの構築が実現』されることになる。これまで硬質な材料のみで構成され、形が固定されていたロボットとは全く異なる概念の学術的に意義深い基準構造となる。これら実機の構築過程の可視化・共有・体系化および、実機実験から得られる知見の設計に対するフィードバックを繰り返すことで、従来の硬質ロボットでは不可能であった形状が固定されていない「柔軟ロボット機構」設計論の事例創出的構築・体系化に取り組む。
キーワード:特集
【表紙の絵】
魚が空を飛べる「まく」をつけるそうち
山本 波璃 さん(当時9歳)
魚は水の中でしか、生活ができないけれど、 このそうちでまくの中に入ると、水の外で も生きていけます。そうすればいっしょに 魚たちと遊べます。