ソフトロボット学
ソフトロボット学への産業界からの期待
ソフトロボットの役割と期待
人とロボットの距離が近くなっている。従来のロボットは、生産性の向上や、省人化を目的とし、工場の中で人よりも大きな力で、高速で同じ作業を効率的に繰り返すなど、人がなしえない作業を実現するタイプが主流だった。そのため、安全の面などから人と隔離されて使用されることが多く、ロボットの人との共存、協調、協働という視点は少なかった。
一方、エレクトロニクス、AI技術の高度化などから、今までにできなかったロボットの制御や、人とのコミュニケーションも可能になってきており、人とロボットとの協調を実現することにより、工場の中だけでなく、社会課題や多様な困りごと解決へ貢献する期待が高まってきている。人と協調するロボットの実現を目指した従来のリジッドなロボットの取り組みも多いが、人との協調を実現するためには、人間のモデル構築が必要となり、人間の不確定要素も加味すると、従来のロボット技術だけでは人との協調の実現は飛躍的に難しくなる。
【表紙の絵】
魚が空を飛べる「まく」をつけるそうち
山本 波璃 さん(当時9歳)
魚は水の中でしか、生活ができないけれど、 このそうちでまくの中に入ると、水の外で も生きていけます。そうすればいっしょに 魚たちと遊べます。