ソフトロボット学
ソフトロボット学がめざすもの
有史以来、科学技術はひたすら「パワー」と「確実性」を追い求めてきたとは言えないだろうか。我々エンジニアの多くは確実かつ力強い動作を求め、頑丈な機械設計、強い材料開発、高速で確実な情報処理などを追求してきた。
しかし近年、機械・電子、材料科学、情報科学など複数の異なった分野で、「やわらかさ」を指向する新しい研究が同時多発的に生まれてきた。その背景には、「パワー・確実性」から「生体・人間」へと傾向する科学技術の大きな流れがあるのではないだろうか。従来の価値観とは真逆とも言える「やわらかさ」は、これからの科学技術の潮流のキーワードの一つになるのではないか。
このような考えに基づき、2018年度より文科省科研費補助金新学術領域研究「ソフトロボット学」が始まった。本特集では、「ソフトロボット学」に関連する最新状況を取り上げる。
キーワード:特集
【表紙の絵】
魚が空を飛べる「まく」をつけるそうち
山本 波璃 さん(当時9歳)
魚は水の中でしか、生活ができないけれど、 このそうちでまくの中に入ると、水の外で も生きていけます。そうすればいっしょに 魚たちと遊べます。