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2019/3 Vol.122

【表紙の絵】
未来のファミリーレストラン

小原 芽莉 さん(当時10歳)

私の考えた機械は、これから起きるといわれている「食料危機」を乗り越えられる機械です。バクテリアの入っている機械に昆虫をいれると、バクテリアが昆虫をハンバーグやオムライス、カレーなどの味にします。色々な味になった物が穴からでてきます。最後に羽あり型ロボットが穴から落ちてきた物をお皿にならべてくれます。

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特集 “ものづくり”を革新する3Dプリンティング技術

金属積層造形熱変形シミュレーション技術の開発

池田 貴・小池 邦昭・法川 剛二郎・殷 峻〔(株)先端力学シミュレーション研究所〕

はじめに

金属積層造形プロセスにおける課題

金属3Dプリンタによる積層造形は、従来の加工法では実現できなかった複雑な内部構造を持つ製品などを製造でき、また少量多品種の製品を同時に造形できることもあり、21世紀のものづくりにとってその活用が期待されている。金属3Dプリンタには、敷き詰めた金属粉末にレーザーや電子ビームを照射し溶融、凝固させるパウダーベッド方式や、レーザーを照射しながら金属粉末を吹き付け溶着させるデポジション方式など、さまざまな手法が存在する。現状では、実際に造形すると造形物全体として大きな変形が発生し、寸法不良に至る場合が多々あり、造形レシピ(レーザー/電子ビーム出力や走査速度、スキャンストラテジーなど)を部品ごとに調整しながら、トライアンドエラーを繰り返して造形を行っている。寸法不良の原因は、金属積層造形プロセスが高温・高速で局所的に急激な昇温および降温を繰り返し、熱ひずみを蓄積していくためである。デポジション方式では、造形中に造形物の変形が大きくなりすぎると、それ以降の積層が正常に行えず、パウダーベッド方式では、熱ひずみによりサポートが破断し、次層のパウダーベッドを正常に形成できず、造形プロセスが停止する場合がある。図1は、パウダーベッド方式で造形した丸棒が反っている様子である。変形が甚だしい時は造形中に製造装置が停止、あるいは破損してしまうこともあるため、これらの変形をシミュレーションで予測することが強く望まれている。

図1 熱変形により反りが発生した金属積層造形物

(出展元:TRAFAM編「金属積層造形技術入門」p.107 図8.11(a))

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