特集 二酸化炭素分離回収と貯留・固定および利用技術
苫小牧におけるCO2分離・回収/ 貯留大規模実証事業の現況と適地調査事業の技術的考察
地球温暖化対策としてのCO2地中貯留技術
国内CO2地中貯留は安全に20万tを達成した
はじめに
北海道苫小牧市におけるCCS大規模実証試験は、2012〜2017年度は経済産業省、2018年度は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として日本CCS調査(株)(以下JCCS)が受託している。2016 年4月よりCO2圧入を開始し、2018年9月現在20万7千tのCO2を貯留した。本稿では、苫小牧におけるCCS 実証試験事業の現況とCO2貯留適地調査事業の概念について報告する。
苫小牧におけるCCS実証試験の概況
苫小牧CCS実証試験の目的と課題
2020年頃の技術の実用化を目指して、安全かつ安定的にCCSが実施できることを実証する。そのために、日本初の一貫したCCSシステムとして10万t/年の規模でCO2を分離・回収、圧入・貯留し、地下でのCO2挙動を監視する。
CCSの各ステップ(CO2の分離・回収、圧入・貯留および監視)で必要となる要素技術のほとんどは各種産業で既に使用されており、ある程度成熟しているが、各要素技術を組合せた一体のシステムとして機能することを実証する必要がある。
また、貯留サイト選定指針など、各種指針や技術基準を確認・整備すること、さらに将来、国内でCCSを展開していくために、広く国民にCCS実証試験の情報を開示し、安全かつ安定的にCO2を貯留できることの理解を得ることも重要である。
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【表紙の絵】
さがせ!タカラモノグラ
後藤 快 くん(当時7 歳)
タカラモノグラは化石や宝石をみつけるきかいです。
そうじゅうしているぼくは、きょうりゅうの化石やキラキラしている宝石をみつけようとわくわくしています。