研究ストーリー
引っ張れないなら振ってみよう
2017年度日本機械学会賞(論文)
「樹脂材料向け高速曲げ疲労試験法(ガラス繊維強化樹脂への適用の試み)」
このたびは日本機械学会賞(論文)を頂きまして大変光栄に存じます。この研究は、私が会社に入って最初に担当した製品の開発課題がきっかけとなって進められたものです。その製品は、(株)日立製作所(以下、当社)として初めて開発する電子回路を実装したハードウェアであったのですが、私はその長期信頼性を担保するための技術開発を担当することになりました。会社としても未経験の製品だったものですから、当初は何が課題なのかを洗い出すこと自体が大きな課題でした。ようやく課題の全体像が見えてきたころ、恐ろしい(?)ことに気づきました。その製品のはガラス繊維強化樹脂で構成することは決まっていたのですが、製品寿命を全うするためには108サイクルでの疲労強度を担保しなければならない、ということでした。今思い返すと、それは製品全体像の中の氷山の一角に過ぎなかったのですが、事業部担当者の理解もあって、この課題を深堀りすることとなりました。
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【表紙の絵】
「素敵な薬を作る機械」
杉平 会利 さん(当時5歳)
私が薬剤師さんになったら、「素敵な薬を作る機械」を使って、患者さんの好きな色や形、好きな味や香りのする薬を作りたいです。虹色の薬を飲むと、心に虹が架かり晴れやかな気分になります。病気になったら素敵な薬を飲んで、心も体も元気になって欲しいです。