人と機械の新しい関係
自動化しやすい製品設計とAI、IoT活用で信頼性を上げる パナソニック・エコソリューションズ社新潟LED工場の取り組み
〜環境変化に順応するため、ものづくりの仕組みを継続的に革新
取材・文 森山 和道 http://moriyama.com/
2018年に創業100周年を迎えたパナソニック(株)。パナソニック・エコソリューションズ社新潟LED工場のメディア向け見学会が、2018年9月26日に行われた。光源市場のトレンドは、いま蛍光灯からLEDへと急激に変化している。そして生産体制も多様な需要に応えるために確定計画生産から需要連動計画生産へと変化している。そのような環境変動を背景にして新たなものづくりへ挑んでいる姿の一端が紹介された。この場を借りてレポートしておきたい。
*本記事は誌面に内容を追加したWEB版です
■IoT、スマートファクトリー化のモデル工場
金属加工で名高い人口8万人の燕市にある同工場は1973年に操業開始。パナソニックのライティング事業の主力工場で、グローバルマザー工場と位置付けられており、従業員数は1,270名。工場面積は約5万平米。建屋が三つ、厚生棟が一つある。
パナソニックグループを構成する4カンパニーに各々一つずつあるIoT、スマートファクトリー化のモデル工場のひとつで、新潟工場では照明器具を中心としてロボットや人工知能を活用したものづくりを行っており、2017年には一般社団法人日本能率協会が主催する優良工場表彰制度・グッドファクトリー賞(ファクトリーマネジメント賞)を受賞している。
パナソニックが光源事業を開始したのは、松下電器時代にナショナル電球(株)を設立した1936年からだ。現在、国内の製造拠点は9箇所。新潟工場では施設・防災用の照明器具を中心に製造している。特徴は金属加工や塗装、部品実装、組み立てなど「器具」と「光源」、両方の一貫生産体制をとって製造していることだ。LEDはまだ仕様や構成がかっちり決まってない側面があり、設計変更など多様なものづくりにすぐに対応できるようにするには、1箇所で作るほうがメリットが大きいと考えているという。ちなみに日本工業会の2017年のデータでは、蛍光灯照明器具とLED照明器具の出荷割合は、蛍光灯は3%、LEDが97%となっている。
パナソニック・エコソリューションズ社 新潟LED工場
キーワード:人と機械の新しい関係
【表紙の絵】
「素敵な薬を作る機械」
杉平 会利 さん(当時5歳)
私が薬剤師さんになったら、「素敵な薬を作る機械」を使って、患者さんの好きな色や形、好きな味や香りのする薬を作りたいです。虹色の薬を飲むと、心に虹が架かり晴れやかな気分になります。病気になったら素敵な薬を飲んで、心も体も元気になって欲しいです。