日本機械学会サイト

目次に戻る

2019/1 Vol.122

【表紙の絵】
「素敵な薬を作る機械」
杉平 会利 さん(当時5歳)

私が薬剤師さんになったら、「素敵な薬を作る機械」を使って、患者さんの好きな色や形、好きな味や香りのする薬を作りたいです。虹色の薬を飲むと、心に虹が架かり晴れやかな気分になります。病気になったら素敵な薬を飲んで、心も体も元気になって欲しいです。

バックナンバー

会長挨拶

新しい時代の魅力あるエンジニアソサエティの実現をめざして

新年あけましておめでとうございます。

今、新しい情報技術や最先端科学の急激な進展に伴い、社会や学会を取り巻く環境は複雑化し、学会という存在の意義や方向性がいろいろと問われる時代になっていると考えられます。その中で、本学会においては、一昨年、創立120 周年の節目の年となりました。

本年度は、“魅力あるエンジニアソサエティの実現に向けて”というコンセプトで、三つの重点方針として、1)若手技術者にとっての魅力度向上、2)組織力強化のための取り組み加速、3)10年ビジョンに基づくアクションプランの着実な実行 を掲げ、昨年新たに組織した経営企画委員会を中心に具体的な解決策を現在検討しております。

また昨年、経済産業省が実施した「社会人を対象とした理工系人材の需給実態アンケート調査」によると、「技術系職場で必要とする専門分野で、機械工学のニーズが他の分野に比べ最も高く」、次にハード・ソフト、プログラムと続き、また一方で、「5年後に技術人材が不足する分野も機械工学が一番」という報告がなされております。より一層社会・産業に寄与するため、機械工学の技術者集団としての取り組みを引き続き検討していかなければならないと実感しております。

本年度の主な行事としては、2018年9月に関西大学にて“多様化する社会・技術への機械技術者の挑戦”のキャッチフレーズで年次大会を開催しました。お陰様で多くの方に参加いただき、盛況に終わることができました。また、「機械の日」行事では、従来とは視点を変えて、広く一般の方の参加を狙ったオープンなイベントを開催しました。さらに、本年3月には恒例のメカジョ未来フォーラムを開催します。多くの学生、企業のご参加をお待ちしております。

今後も、各部門や支部、委員会等の様々な活動を通じて、新たな気づきが生まれる産学連携交流の場としての機能を強化していきたいと思います。

これからの時代、AI・IoT・Society5.0・SDGs等の大きな動きや技術の変化・進化の中で、人や社会と機械・機械システムの多様な相互作用が新たな価値を生み出すと思われます。他方で、これまでの複雑現象解明に根ざした機械工学分野の基盤技術としての深化もさらに推進することが大事です。“機械学会の強みは何か”を自問自答しながら、技術者にとって魅力のある「新しい技術や手法、考え方の発信とその交流の場の提供」「それに対応した人材育成施策等」に取り組んでいきたいと考えています。

新年号となる本号では、“イノベーションを生み出す『幸せ因子』と『多様性』”と題した座談会記事を掲載しています。これまでとは少し違う、やわらかい視点でもの・コトづくりを俯瞰した内容になっておりますので、ぜひご覧いただければ幸いです。

本年も学会発展のため、ご協力のほど宜しくお願い致します。

 

2018年度(第96期)会長 佐々木 直哉

キーワード: