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2018/11 Vol.121

【表紙の絵】
地球アニマル保ごしせつ
村井 暁斗 くん
(当時10 歳)
動物を地球の中に入れてすみやすいようにしている。
またしょく物も入れているので定期的に水を外から、あたえる。
野生動植物をほごする。

バックナンバー

My メカライフ

蚊の吸血からバイオメカニクスへ

はじめに

日本機械学会より、文部科学大臣表彰若手科学者賞の受賞者に執筆依頼があり、今回Myメカライフ執筆の機会をいただきました。蚊の研究から始まり、さまざまな生物種に関するバイオメカニクス研究を行うまでに至った小職の研究背景について紹介いたします。

研究の世界は、皆平等

大学4年次の卒業研究は、恩師望月修教授の研究室が通称ムシ研(昆虫に関する研究がなぜか多かった。)だったので、長く続けるなら嫌いな昆虫を対象にしようと、「蚊」を選びました。0.5 mmほどの頭部内にさらに小さいポンプ構造を持ち(図1左)、細長い針(内径20μm、長さ1.5 mmを使って血液を吸い上げるメカニズムに魅力を感じ、学位取得までの6年研究を続けました。熱心に進めてきた蚊の吸血針周りの赤血球の流れ計測(図1右)は、学会や研究分科会では、「君の研究は、変わっているね。」とよく“お褒め”の言葉をいただきました。今思えば、それを褒め言葉として捉えていたこと自体、研究者魂が育っていたのだなぁと思います。著名な教授陣を目の前にして、緊張でポインターを持つ手が震え、声を上ずらせながらも、必死に発表していたのを今でも鮮明に覚えています。当時は、発表後の質問時間はいつも恐怖の時間で、とてもとても長く感じていました。しかし、率直な意見や疑問に対し、真摯に回答していく、職位や学歴、所属機関にも平等で公平な研究の世界にさらにどっぷりと魅了されていきました。

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