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2018/11 Vol.121

【表紙の絵】
地球アニマル保ごしせつ
村井 暁斗 くん
(当時10 歳)
動物を地球の中に入れてすみやすいようにしている。
またしょく物も入れているので定期的に水を外から、あたえる。
野生動植物をほごする。

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特集 空の産業革命―「飛行ロボット」としての次世代ドローン―

非GNSS環境で高精度自動飛行するUAV

平井 雅尊・光田 徹治・加藤 直也〔(株)デンソー〕

図1 Developed UAV with variable pitch propellers

 

はじめに

UAV(Unmanned Aerial Vehicle)の自動飛行は、一般的に衛星からの測位データやSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)に代表される周辺環境情報を用いた自己位置推定を基に移動制御を行う。しかし橋梁では、直上や直近に床版や橋脚があり、直下は草地や水面などがあって、季節的にも短期的にも状況が変化する。このため、衛星測位の精度や周辺環境情報を用いた自己位置推定の信頼性が低下する。また風が強く流れも複雑である。橋梁に近接し点検を行うUAVの自動飛行では、このような環境化でも高い精度で自己位置推定を行い、航路を維持する制御が必要である。

筆者らは、上記課題を解決するため、非GNSS(Global Navigation Satellite System)環境で精度の高い自己位置推定手法と、外乱に対する制御応答性が速いUAVを組合せることで、高精度に自動飛行が可能なシステムを開発した。

可変ピッチ機構を採用したUAV

開発機体(図1)は、各翼に可変ピッチプロペラ機構を採用している(1)。可変ピッチプロペラは推力可変制御の高速応答が特徴であり、その性能は回転数や翼の大きさによるが、採用した15〜18インチの翼で、回転数制御に対し最大15倍程度速い。このため位置推定の精度が高ければ、風による外乱が強くとも、航路から大きく流される前に姿勢・移動制御が可能である。結果的にあらかじめ計画した航路に対して高精度に飛行することができる。

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