特集 地球環境の変化を知る―技術はどのように貢献するか―
極域氷下の観測
南極と北極
南極と北極の共通点や相違点等
一般的に極地と言った場合、南極および北極の両極地方を表し、その境界は明確に定められていないが、両極の緯度66.5度以上の地域を指すこともある。南北両極の緯度66.5度以上の地域は、極圏とも呼ばれ、南は南極圏、北は北極圏となる。地球の自転軸の傾きの関係で、極圏では白夜や極夜といった現象が起きる。極域と言った場合は、極圏に加えて、これより緯度の低い、北はグリーンランド南端、南は南極大陸の北端(南極半島北端)を含めた地域を指す。本稿では、極域である、グリーンランドおよび南極大陸全域とその周辺海域を対象とする。
自転軸と地表の交点として、南極点および北極点が定義され、それぞれ南と北の極、すなわち南極および北極となる。地球の地軸は、公転面の法線に対して、約23.43度傾いているため、極圏では白夜や極夜といった現象が起きることになる。当然ながら、両極域は高緯度であり、太陽高度も低くなり、気温が低く寒い地域となる。また、気温が低いことに関連して両極域には氷床が存在する。氷床とは、大陸の全体を広く覆って発達する氷河であり、地球上に現存するのは、北極域のグリーンランド氷床および南極域の南極氷床だけである。一方で両極域の海洋では、表層で水が冷やされたり、塩分が高くなったりすることにより、重い水となり下方の水に潜り込む現象が起こる。北大西洋のグリーンランド沖と南極海では、冷たく重くなった海水が、海洋の深層まで沈み込む底層水が形成され、世界の海洋を約2000年で一巡する大きな循環である、海洋熱塩循環(深層循環)を駆動している。以上のような共通点が、両極域が寒冷であることによる例として挙げられる。
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A mine arms
菅原 紡宜 くん(当時11 歳)
深海の生物と共生して、生態の謎を解き、深海生物の不思議な力を集めて、地上で使える新しいエネルギーに変換できる機械。
地底からレアメタルを採掘したり、海底火山の調査から地震を予知することもできる機械。