おもしろイベント報告
親子見学会「スパコンが生み出す3D映像体験とモノづくり技術を学ぼう」
川崎重工業 ロボットショールームにて
見学会の報告
動力エネルギーシステム部門では、将来を担う子供たちに機械や工学、エネルギーに興味を持ってもらうことを目的とし、「機械の日(8/7)」に合わせた親子見学会を毎年開催している。2017年は関西エリアで初めて企画された。
理化学研究所 計算科学研究機構では、世界トップレベルの計算機能力を誇るスーパーコンピュータ「京」を見学した。スタッフの方からの分かりやすい説明のあと、稼働中の「京」をガラス越しに見学した。子供たちからは多くの率直な疑問が飛び交い、「京」の仕組みや役割について真剣に説明を聞いていた。隣接する神戸大学 計算科学教育センターでは、三次元可視化装置π-CAVEを体験した。VR技術によりスーパーコンピュータで得られたデータの可視化を可能とするπ-CAVEでは、衛星搭載イオンエンジンから噴出されるプラズマ粒子や新燃岳の噴火のシミュレーションデータを、三次元映像として夢中になって体感できた。カワサキワールドでは、新幹線の実物大模型や二輪車などの展示には実際に乗り込むことができ、楽しく遊びながら、モノづくりの大切さを実感できたと思う。更に川崎重工業 西神戸工場を訪問し、生産現場が再現されたロボットショールームを見学した。車体の溶接や塗装などの自動車製造ラインや、ビジョンセンサを使った食品選別・箱詰め工程、双腕スカラロボットなど、各種産業用ロボットが動作する様子を間近に見ることができた。高速かつ高精度に動くロボットアームの迫力は圧巻で、子供たちは動作の一つ一つを熱心に観察していた。普段は見る機会のない産業用ロボットを身近に感じたことと思う。
自由研究作品
見学会に参加した子供たちに、見学会を題材にした自由研究作品を募集したところ、9件の応募があった。工作や絵日記、新聞、レポートなど、どれも独創的で面白い作品ばかりであった。「京」の見学は小学校低学年には難しいのではないかと危惧していたが、興味を持って見学してくれたことが、自由研究作品からよく分かった。提出された自由研究作品の中から担当委員にて優秀作品を決定したが、どの作品も非常に素晴らしく、選ぶのが非常に難航した。
低学年の子供が対象の見学会であることから、受入先の企業・研究機関には様々なご苦労を毎回お掛けしている。しかし参加した子供たちからは、毎回好意的な感想を多く聞くことができることから、今後も継続して開催されることを願っている。最後に今回の見学会で大変お世話になった理化学研究所、神戸大学、川崎重工業の方々に感謝申し上げる。
村川 英樹(神戸大学)
自由研究作品の一部
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【表紙の絵】
「くもをすいこんでたべものにかえるきかい」
井岡 武志 くん(当時6歳)
うえのえんとつからくもをすいこんで、きかいのなかでたべものや、おさら、スプーンにかえるきかいです。
できたたべものはベルトコンベアーではこばれて、おきゃくさんのどうぶつたちが、たのしみにならんでまってます。