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2018/6 Vol.121

【表紙の絵】
「くもをすいこんでたべものにかえるきかい」
井岡 武志 くん(当時6歳)
うえのえんとつからくもをすいこんで、きかいのなかでたべものや、おさら、スプーンにかえるきかいです。
できたたべものはベルトコンベアーではこばれて、おきゃくさんのどうぶつたちが、たのしみにならんでまってます。

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機械遺産が語る日本の機械技術史

第4回 生産・加工機械

はじめに

わが国における金属加工用の生産・加工機械の歴史は江戸時代末期における幕府や雄藩の欧州からの輸入で始まった。明治政府は各種近代技術の習得に努め、金属製の機械や部品の製作に必要な工作機械等も、輸入とともに等で輸入機を模倣して製造された。

明治後半になると、民間の製造企業が現れたが、製造したのは欧米機を模倣した機械で、精度や生産性が劣るものが多かった。しかし、昭和に入ると欧米機に劣らぬ性能が認められて量産された機械もあった。

第二次大戦後、欧米からの遅れを認識した政府は国産機械の技術水準向上を緊急課題とし、1956年公布の機械工業振興臨時措置法(機振法)による支援策(試作補助金等)を立ち上げた。また、業界団体が設立され欧米に視察団を派遣して最新技術の収集に努めるとともに、多くの企業が欧米企業と技術提携を行って先進技術を吸収した結果、欧米機と同等レベルの国産機が数多く製造されるようになった。

さらに、米国で工作機械のNC(数値制御)技術が公表されると、直ちに産学官で研究開発に取り組み、わが国でもNC装置、NC機械が開発され、1970年代後半には日本製NC工作機械の性能が世界市場で高く評価されるようになって普及が進み、ついに1982年には工作機械生産額が世界一となり、27年間にわたってその地位を保持し、現在も技術・生産額いずれも世界トップレベルを維持している。

以上がわが国の生産・加工機械、特に工作機械の歴史の概略である。以下では、機械遺産だけでなく、創立100周年記念事業で選定された機械記念物(工作機械編)なども含めて、主な機種を紹介する。

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