特集 ユーザーエクスペリエンス
未来の社会と人にとって魅力的なサービスを考える
未来のサービスを考えるためのUX
近年、商品やサービスの企画・開発の際に、ユーザー体験を考慮したデザインアプローチをとることが一般的になっている。このアプローチは、ユーザーエクスペリエンス(UX)デザインと呼ばれ、ユーザーニーズを捉え、ユーザー視点でアイデアを発想することが重視される。UXデザインは顧客価値の高い商品やサービスを生み出すのに有効であり、その適用範囲は、コンシューマ向けの商品やサービスだけでなく、ビジネス向けのソリューションやサービス、社会システムや公共サービスなどへも広がっている。
筆者が所属するNEC(以下、当社)は、ICTを活用して社会インフラを高度化する「社会ソリューション事業」に注力しており、事業を通して社会価値を創造している。社会ソリューション事業とは、例えば、安全・安心な街づくりや、行政基盤や住民サービスなどに関連するソリューションの企画、提案、開発、運用である。これらのサービスは長期的に利用されるものが多いため、未来の社会を20年程度のスパンで考えることが、魅力的なサービスを生み出すことにつながる。
本稿では、我々が業務で活用している未来のサービスアイデアを考えるためのUXデザインについて説明する。未来の社会で起こりそうなことを予想し、そこに住む人々の生活や体験についてイメージをつかみ、そのうえで必要なサービスアイデアを発想することが重要となる。
キーワード:特集
【表紙の絵】
「くもをすいこんでたべものにかえるきかい」
井岡 武志 くん(当時6歳)
うえのえんとつからくもをすいこんで、きかいのなかでたべものや、おさら、スプーンにかえるきかいです。
できたたべものはベルトコンベアーではこばれて、おきゃくさんのどうぶつたちが、たのしみにならんでまってます。