小特集 未来社会の幸せと倫理
ワークショップ 未来社会の幸せと倫理
IoTや人工知能で社会変革が起きつつあるなかで、どうすれば技術は「人間の幸せ」に貢献できるだろうか?
2017年度年次大会(埼玉大学)にて、「未来社会の幸せと倫理」と題した市民フォーラムを開催し、学生・技術者・一般市民が、「こうあって欲しい未来」について意見を交わした。
本小特集では、実施したワークショップおよび講演について紹介する。
肯定的アプローチによる価値判断の重要性について理解いただければ幸いである。
問題解決思考の落とし穴
視野狭窄と犯人探しモードの議論ではイノベーションが阻害される
ビジネススクールで「自分が勤務した会社について、分析せよ」という課題が出たとする。学生はどのような分析をするだろうか。この課題を実際にやってみると、ほとんどの学生は、会社が抱える課題や問題を指摘し、何らかの分析枠組みを使って検討し、解決策を提示しようとした。「会社の強みを分析した人は、一人もいなかった」と教授に指摘され、学生はハッとした。
問題解決力は社会人にとって欠かせない能力の一つであることは間違いない。最近では学校教育でも、その能力開発に躍起になっている。ところが、問題解決思考は、将来のビジョンを考えたり、イノベーションを起こしたりする妨げになることもある。
キーワード:小特集
【表紙の絵】
空気をきれいにする車
須藤 二葉 さん(当時5歳)
走っても空気をよごさずにきれいにしてくれるから走るとみんなにこにこになるよ。
本誌2017年7月号に、「空気をきれいにする車」のテストプロジェクトを掲載しています。
合わせてお読みいただければ幸いです。