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2018/5 Vol.121

【表紙の絵】
空気をきれいにする車
須藤 二葉 さん(当時5歳)
走っても空気をよごさずにきれいにしてくれるから走るとみんなにこにこになるよ。


本誌2017年7月号に、「空気をきれいにする車」のテストプロジェクトを掲載しています。
合わせてお読みいただければ幸いです。

バックナンバー

機械遺産のDNA

国産5馬力誘導電動機の原点と進化

図1 5馬力誘導電動機(機械遺産 No.31)

1.モノづくりの原点

開拓者精神が創業製品を誕生させた

電磁誘導は発見されてから200年ほどになる。この原理を応用した電動機は(株)日立製作所(以下、当社)の創業製品であり、今もなおその事業を継承している。

時を遡ること100余年、1908年の頃、鉱山事業は活況を呈するようになり、当社創業社長である小平浪平翁は、わずか5名の従業員とともに、40坪ほどの小さな「掘っ立て小屋」において鉱山用の電動機の修理を始めた。鉱山の事業発展と機械化の促進に伴い、電動機が急速に設置されていったが、鉱山での使い方は非常に荒く、従業員たちはその修理に多忙を極めた。当時鉱山の電動機はほとんどが外国製であったが、1年もたたないうちに故障するものが多く、修理どころではなく、一から作るのと同じようなものが多かった。このような状態の中で電動機の修理をしていくうちに、原因調査や製作方法などの研究は着実に進み、製作事業への自信を深めていった。「やせても枯れても日本人の手で作りたい。」との強い信念のもと、修理作業はやがて製作技術へと発展、外国から鉄板加工機械を買い入れ、自分たちで電動機の設計・製図を行った。そして1910年、ついに当社第一号製品である5馬力誘導電動機3台が製作された (図1) 。その後、鉱山用として10馬力、20馬力、30馬力のモータを作りながら力をつけ、製品化し外部への販売も始めていった。

 

文中にある「掘っ立て小屋」は今日「日立創業小屋」と呼ばれ、工場の敷地内に復元され、創業製品である5馬力誘導電動機が展示されている (図2,3)

図2 日立創業小屋

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