機械遺産が語る日本の機械技術史
第2回 機械遺産の分類と時代区分
はじめに
我が国の産業革命は日本機械学会設立(1897年)とほぼ同時期に確立したと言えるが、これは機械の「国産化」過程と重ねることができる。製品製造において材料や加工手段に輸入品を用いても、日本人のために日本人が設計・製造し、日本人がそれを使い生活するところから機械の国産化の歴史は始まった。国産化過程を時期区分すると、Ⅰ 手工業主体の時代(〜1853)、Ⅱ 蒸気動力の時代(〜1900)、Ⅲ 電化・内燃化の時代(〜1945)、Ⅳ 高度経済成長の時代(〜1970)、Ⅴ 電子制御化の時代(1971〜)の五つになり、機械遺産をA繊維機械、B生産・工作機械、C輸送機械、D動力機械、E鉄鋼・鉱山機械、F生活関連機械、そしてG機械工学史料の7分類にまとめると別表のようになるが、今後は分類間移動もありうる。
からくり人形 弓曳き童子(機械遺産第61号)
キーワード:機械遺産が語る日本の機械技術史
【表紙の絵】
「あいするこころロボット!!」
齋藤 佑陽 くん(当時5 歳)
人間ができないことが何でもできる
ロボットがあったらいいな。