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2018/4 Vol.121

【表紙の絵】
「あいするこころロボット!!」
齋藤 佑陽 くん(当時5 歳)
人間ができないことが何でもできる
ロボットがあったらいいな。

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特集 オリンピック・パラリンピックに貢献するスポーツ工学

パラアルペンスキーにおける科学的取り組みⅡ ~チェアスキーフレームの解析~

廣瀬 圭・近藤 亜希子〔(株)テック技販〕

図1 チェアスキーフレーム(3D-CAD)

 

チェアスキーフレームについて

チェアスキーフレームは、座っているスキーヤーの身体を支え、力を雪面に伝えるリンク機構を有したフレームである。チェアスキーフレームは、座った状態でスキーを行うための最も重要な用具であり、特殊なリンク機構とサスペンションからなるチェアスキーフレームが一般的である。日本におけるチェアスキーフレームの開発は約40年前から行われており、これまでに複数のチェアスキーフレームの開発・改良が行われ、ソチパラリンピックにおけるメダル獲得にも大きく貢献しており、他国に対してリードした開発を展開してきた(1)。一方で、パラリンピックに対する注目が高まるとともに、他国のチェアスキーフレームの開発も進んでおり、さまざまな機構を有するチェアスキーフレームが開発され、実戦に投入されている。今後もこれらの開発はスピードアップすることが想定されるため、チェアスキーフレームの開発競争は激化していくことが考えられる。

スキーは重力を利用して雪面を滑走するスポーツであるため、他のスポーツと運動のメカニズムが異なり、さらに屋外かつ氷点下環境であるため、非常に計測等が難しいスポーツである。そのため、スキーについては定性的な評価に委ねられている部分が非常に多く、科学的に未解明な要素も非常に多いのが現状である。チェアスキーにおいてもそれは同様であり、さまざまな解析や選手による評価が行われている。また、さまざまなチェアスキーフレームが開発されていることから、科学的な解析や新しい機構の開発等の要素は多く存在していると考えられる。そこで、詳細な解析・開発の進展によって、より競技性の高いチェアスキーフレームの開発も期待できる。チェアスキーフレームの一例(3D-CAD)図1に示す。

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